恵ーメグミー

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    愛は恵に家に呼ばれた。   部屋にあげられて 徐に恵小さい声で喋り始めた     『愛は痛いの好き?』 『痛いの?』 『うん。』 『…好きでは無いでしょ。』 『そう…なの…?』   恵の顔がしゅんとする。   『(やばいな……失敗した) 恵は好きなの?』 『うん。此遣るとね、 苛めて来た奴の事忘れられるの』   そう言って恵はカッターで 手首をすっとなぞった… じわりと血が滲む   愛は本能的にゾクリとした。   『ねぇ…愛も遣ってみよう…?』 『え?…いや…良い…ッぅあ!』   愛の静止にも聞かず 恵は愛の手首も同じようになぞった 愛の手首からも血が滲む。     (痛い、痛い痛い痛い痛い…)   口に出しては恵がまた悲しい顔をする そう直感して、口には出さなかった   『……痛い…?』       『…痛くないよ。』   少し間を空けて答えた。 その台詞を聞いた恵は 満面の笑みに変わった。   『本当に?愛も痛くないのね!! 凄い、凄い。 あたし達、神様に選ばれたんだよ!』   『…神様に選ばれた?』   『そうだよ。神様に選ばれた人間は 痛みなんか感じないの。 特別なんだよ!!!』       今思えば馬鹿みたいな戯言なのに その時の愛はその言葉を信じて終った
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