第一変『まえだ家の家庭の事情』

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「…なんで俺に聞く?」 「よく使うんだろ?」 「使う? それを言うなら食べる、じゃねぇか?」 「松ちゃんが言ってたぜ? 伯父御、ぷりん使った女体盛りプレイがマイブームなんだろ」 ビシッ…と利家の心にヒビが入る。 確かにプリン女体盛りプレイはマイブームだ。 しかし、妻である松とは、一度もやっていない。 「その反応…伯父御、信長公とまだ続いてたのかよ」 正解。 しかも、この尾張の半分を治める織田信長は、正確には女ではない。 真性半陰陽。 ニコ動でお馴染みの萌キャラの一種、フタナリちゃんなのである。 昔から美男で、少々不良ッ気の有った利家は、派手好きだった信長に何かと可愛がられ、仕舞いには若気の至りで肉体関係まで結んでしまった。 お互い結婚した今も、その関係がズルズルと続いているのである。 と言っても、信長の好色は公の事実なので誰も咎める者は居ない。 相手を挙げれば、実妹の『市』、その夫『浅井長政』、側小姓『森乱丸』、雇われ軍師『明智光秀』等々、まかり間違うと家臣全員の名が挙がり兼ねない勢いである。 だから、今さら利家を責めるつもりも無いが、流石にプリンを奪われては黙って居られない。 「伯父御、どうなんだ? 本当に信長公かよ?」 「…いつ、松に聞いた」 「聞いた、と言うより相談された、かな?」 「相談…か…」 「自分も加われないか?って」 利家、見事に畳に突っ伏していた。 「加わるってどういうこっちゃあッ?!」 「だから、3P? 松ちゃんもアレで結構好き者だからな」 「笑って言うなよ! 松がンなワケないだろ!? 14だぞ!?二年前にウチに嫁いで、もう好き者?! つうか、松とどんな話してんだよ!おまえ!」 「どんな話してたって良いだろ?! それよりプリン! 使ったのか?! 使ってないのか?! どっちだよ伯父御!」 「……使ってねェよ、おまえのは」 「そ。 じゃあ、他をあたるわ」 ひらひらと手を振りながら、退場する慶次。 あとに残された利家は、ただただ呆然とするしか無かった。 「うう…慶次の馬鹿野郎…(泣)」 ・
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