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ずっと昔 僕はある街で君に会った
君はきれいなドレスに身をつつみ
僕が見たこともない宝石の指輪をしてた
君が横を通るとき 僕らはみんなおじぎして
膝をついてあいさつしたけど
君の瞳は真っ暗だった
気づいてたよこの時から
その瞳は何も映していなかった
何も映したくなかったんだろう
その退屈な日々から逃れるために
君が考えた唯一の抵抗
きっと君は僕のことを知らなかっただろう
僕らは毎日君を遠くから見て
ありったけの敬意をはらってた
でも覚えているよ
何で毎日君を見てたか
だって君のその瞳は誰かに光を求めてた
そして僕も同じだった
次の日君は姿を見せなかった
かわりに新聞で姿を見た
その時 僕は何もできなかった
僕は君の心に気づいてたのに
だから代わりに僕は今の君を絶対助けるよ
あの時は本当にごめんね
君とよく似た瞳の彼女
今日も何かに怯えてる
怖がらなくていいよもう
教科書や机の落書き
消せないことはないけど
君の心の傷は消えない
だから代わりに笑顔をあげる
悲しみ ふきとばすくらいの
僕の使命は果たされて
何もやることなくなった
世界がまっくらになるその前
誰かの声が聞こえたよ
「ずっと私を照らしてよ」
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