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顔合わせ
それがしばらく続き、由紀さんの住んでいる町で握手会があったとき初めてその姿を拝見することができた。
初めて会った由紀さんは、少しウエーブのかかった髪を短く切っていて、薄い茶色。
身長は普通の人よりも少し高めで、スラリとしていた。
ファンの人たちもぼんやりと見つめているほど、由紀さんは独特なオーラがありかっこ良かった。
こんな人があたしのファンでいいのだろうかと思うくらいに素敵な人で、恐縮してしまう。
震える手を差し出すと、由紀さんは小さく微笑んで両手で私の手を優しく包んでくれる。
『やっと会えた、ずっと会いたかったんだ』
由紀さんはそう言った。
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