デート

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当日。 来てしまった…一応ウィッグもかぶってるし、化粧もいつもより薄めだから気付かれる心配はないと思うんだよね。 私服もかなり地味だから、派手さもないし。 何より、テレビやコンサートでも後ろの方にいるから目立つわけがない。 待ち合わせよりも、10分早く着ちゃったけど誰からも声を掛けられてない。 コレこそが、アイドルであっても目立ってない証拠。 自分で言って切なくなるけど、折角会えるんだから邪魔されたくもないしね。 そんな風に由紀さんの事をぼんやりと考えていたら、肩を叩かれた。 さすがに条件反射で驚いてしまう。 『明日香ちゃん?』 振り向けば、落着いた笑顔の由紀さんが居た 細身のジーパンにタンクトップと白いシャツを羽織っている。 中性的な雰囲気に合っていて、とても素敵だった。 つい観察するように眺めていると、片手で目を隠される。 その仕草にドキリとして、思わず肩が弾む。 するとくすくすと笑い声が聞こえた。
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