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「もう…笑わないで下さいよ…。」
笑われたことが恥ずかしくて、俯いてしまうと頭に手が乗せられ撫で撫でされる。
『ごめんごめん、つい愛らしくて。じゃあこんなこところにいたら目に付くから行こうか、チケットは買ってあるから。』
と言って、映画のチケットを2枚見せてくれた。
準備がいいなと感心しながら後を付いて映画館に入った。
____2時間後_____
ハンカチを持ってきて良かった…、恋愛物と聞いていたから感動しないかと思っていたら最後のシーンでボロボロに泣いてしまった。
あんなに泣けるのだったら、ポケットティッシュ持って来ればよかった。
泣きながら、出てくると由紀さんは背中を擦ってくれた。
時間はすっかり、夕方になろ
うとしている。
『明日香ちゃん、門限とかって何時?』
ふと空を眺めていると声を掛けれらる、そういえば門限のことすっかり忘れていた。
由紀さんに言われなければ、遅い時間まで居てしまうところだった。
それくらい、由紀さんと入る時間は充実している。
「あ・・・と、17時です。」
と答えると、由紀さんが小さく笑った。
『じゃあちょっとお茶でもしよう』
というと、返事も聞かずあたしの腕を引っ張り歩き始めた。
着いたのは、人気のない探偵ドラマに出てきそうな昔ながらの喫茶店。
店内には2~3人しかおらず、それぞれ新聞を読んだり音楽を聴いていたりしている。
誰かに見つかる心配はなさそう。
映画を見た後に心配するもの変な道理だけど。
『ここなら、人目も気にせずのめるでしょ。』
自信満々に笑っていっている。
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