第一章 「果実荘の住人達」

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 ジリリリリリ!! アナログ時計独特のベルが僕の鼓膜にダイレクトに響く。 布団から手を出し、ベルを止め、時間を確認する。 時計は7時30分を示していた。 僕はボサボサの髪をかき、洗面所へ向かう。 鏡に映った自分の姿は 大学生らしかぬ顔だった。 顔を洗い、シャッキとなる。 うむ。我ながら良い顔つきだ。 朝食はパンを焼いてイチゴジャムを塗ったものだ。 糖分摂取にもなったし、もう完璧だね。 「さてと………」 僕は呟き、今日のために買った新しい服に着替えた。 大学は私服でいいから気楽だね。 新しい服は僕の肌に優しくふれる。 靴も新しい。ピカピカだ。 そう。僕は ピカピカの一年生。 そう考えると、なんだかちょっぴり楽しくなってきた。 僕はルンルン気分で部屋を出た。 さァ、行こうかな。 大学に。
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