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入ってすぐ、大学のパンフレットがあった。しかも最後の一つ。
ラッキーと思いつつ手に取り、そこに書いてある地図を頼りに来た。
のに迷った。
僕は地理に弱い方ではないが…。
間違えたかな?
一度戻ろうかなと思ったその時。
「あの…」
後ろから声をかけられた。
「ん?」
僕は後ろを振り返る。
声の正体は女性だった。
綺麗で、清楚な感じ。
僕はちょっとドキッとした。
「ちょっといいかな?」
と言われ、ハッとなる。
「ハ…ハイ。何でしょうか?」
敬語で話してる自分が、何だか情けない気がした。
「地図、見せてもらえるかな?最後の一つ貴方が持っていったの見てたの」
なんと。僕は罰当たりな事をした気がする。
と思いつつ、僕は今、二つの選択肢が思いついた。
【あ、ならどうぞ。僕はすぐそこですし】
と嘘をつき、彼女に紳士的な僕を見せるか。
【じゃあ、一緒に見ながら行きましょう】
とさりげなく誘ってみるか。
答えはすぐに出た。
「じゃあ、一緒に行きませんか?同じ方向だから僕の後に来たんでしょう?」
「え?いいの?ありがとう。助かるわ」
女性は笑顔になり、僕の横に来た。
内心びっくりである。
普通なら断る気がするのだが…、だからこそ僕はチャレンジした。
結果OKでした。
僕、今まで女性や恋愛に疎かったけど…
大学生になりやっとツキが来たか?
「君はどこなの?」
女性が地図を見ながら聞いてきた。
僕は目的の場所を指で示した。
「ここです」
「あ、じゃあ近くだね。私はここ」
「それじゃあ、そこまで行きましょうか」
「うん。え~と…こっちだね」
女性が歩きだした。僕は彼女の横にいることを保つために同じ早さで歩く。
初日からラッキーだな。僕。
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