第一章 「果実荘の住人達」

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 時間になり、僕と下畑は帰りの待ち合わせ場所を決め、別れを告げた。 せっかくの再開だったのだ。帰りにまた一緒に話しをしたい。 そう思いながら、夕方になった。 講義はとりあえず聞いていたが、よく覚えていない。 とりあえず、レポートはしっかり書くことにしよう。 って思った。 気がする。 荷物を確認し、待ち合わせ場所の自転車置き場に向かうと、下畑の姿はまだ無かった。 何かやってるのか。 しばらく待つことにした。 その時 「なんで!?どうしてよ!!」 突然の大声に僕はびっくりした。 「奏…奏…もう知らない!!」 相手の声は聞こえないあたり、ケータイで話しをしていたのか? 喧嘩か? 声のする先を見ていたら、一人の女子が歩いてきた。 目が少し潤んでいるが、怒っているのか目が尖ってるように見える。 なんて思っていたその時― 「きゃッ!?」 彼女は段差に躓いた。そして前方に思いきりこけそうになる。 「!危ない!!」 僕は咄嗟に動き、彼女がこけそうになるのを止めた。 僕の手は彼女の肩をしっかり支え、身体同士くっつきそうになった。 「よ…良かったァ………」 僕はふゥとため息をつき、ゆっくり彼女を立たせる。 「大丈夫だった?」 「う…うん。ありがと」 「どこか痛い所は無いかい?」 「大丈…夫」 彼女の服装に僕は少し困惑する。 肩が出てるし、ワンピースにしてはスカートの丈が短い方だ。 真っ赤なワンピースは彼女の身体つきをしっかり表している。 僕より身長が低いため、彼女の顔を見るとおまけで胸の谷間なんかがちらりと見えたりする。 思わず目をそらしてしまった。 「あの…ありがとう」 彼女はそう言い、僕を横切り走っていく。 その後ろ姿を僕は見送った。 なんとなく見たことがある気がする。彼女。 思いだそうとした時、下畑がやってきた。
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