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「ね?じゃねーよ!待ってよ!!またその話!?」
そう。前から
正確には大学が決まった時からだ。
おじいちゃんが管理しているアパートと大学が近い事を良いことに、僕が管理人になれと二人にしつこく言われていた。
「ワシは疲れた」
とおじいちゃんの理由。
「色々経費が弾むから」
と母の理由。
僕はうろ覚えのアパートを想像し、寒気がした。
「僕はもう住む所が決まってるんだし、ってか!母さん!もうアパートと契約したじゃん!」
「あァ。無しにしたわ」
「は!?」
「ワシももう荷物は出したぞ」
「待っ………!!」
「実は母さん、こっそり引っ越し先をじいちゃんの所にしたんだよネッ」
「ネッて……!」
「ワシが買ったのはな、実が管理人の仕事をするときに役立つものなんじゃヨ」
「ヨって…じゃなくて!!何二人で勝手に…ホントに…訴えるぞ!!」
「あいたーい!心臓がいたーい!!しぬゥ~!」
完璧と言っていいほどの
棒読みである。
「おじいちゃん!しっかりして下さい!!」
母もおじいちゃんにノる。
「しっかりしてほしいのはあんたら二人の常識だよ!」
僕のツッコミに反応せず。
「んじゃ実」
「後はよろしく!」
「二人共…………いい加減にしろォォォォォォ!!」
めでたく僕は管理人になった。
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