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果実荘に来たのは今日だった。
おじいちゃんが
「入院してても管理人に変わりはない。だから、実の大学が始まるまでは、最後までワシにやらせてくれ」
と願い、2週間とちょっとの間の果実荘には、管理人は存在していなかった。
おじいちゃんは本当に大切にしてるのか?
僕は反対したが、母が勝手に許可した。
母が何故こんなにおじいちゃんを大切にしてるのかは、まァそれはまた別の機会に。
僕は今忙しいんだ。
荷物は何日も前に届いていたけど、僕は今日来たんだ。
急いで荷物を整理しなきゃいけない。
普通、住んでいる人達に挨拶するのが礼儀だけど
幸運…いや、生憎、僕が来た時には誰もいなかったし、後でにしようとしたら今はもう夜だ。
明日でも構わないだろう。
おじいちゃんは確か、今は四人いると言っていた。
名前は聞いていない。
挨拶の時に聞けばいいさ。
それにしても、僕は時々大きな音を出しているのに
苦情の一つも言いに誰も来ない。
逆にさっきから物音が一つも聞こえやしない。
本当に住んでいるのか疑問である。
おじいちゃんは幻覚でも見ていたのか?
なら入院したのは正解だったな。
この際だから色々見てもらえばいいさ。
なんて考えてるうちに、明日の用意はなんとかできた。
寝るスペースも確保。
明日から、またゆっくり準備すればいいだろう。
それに夜遅くに大きな音をたてるのは迷惑だしね。
それじゃ、明日からの新生活に向けて…
お休み。
パチン。
電気を消す音が一人しかいない部屋に響いた。
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