15人が本棚に入れています
本棚に追加
休憩を終えると、みんなで笑いながら、飾り付けの仕上げにかかった。
テキパキと指示をする七森チーフ。
「店長も働く!」と七森に突っ込まれながら、のほほんと皆を見守る秋田。
一コ上の先輩でふんわか系の、アオちゃんこと新渡戸 葵(にとべ あおい)。
健康的な褐色の肌が似合う、いつもアクティブな高堂 美和(こうどう みわ)。
それに、時々ちょっとオヤジっぽい、草間(そうま) あゆみ。
みんな優しく、時に厳しく、きちんと水緒と接してくれる。
水緒はVitisと、店のみんなが大好きだった。
いったい、いつの間に作ってきたのか、秋田が、紙粘土細工の可愛らしい雪だるまを、温かみのある木製の鏡台の縁に並べていた。
店内の雰囲気がみるみるクリスマスに染まっていく。
と同時に、水緒は、不思議と気持ちまでが盛り上がっていくのを感じていた。
なんたってクリスマス。
恋人たちのビッグイベントだ。
おまけに、今年のイヴは月曜日。
Vitisは店休日!
《あとは彩倉せんせに夜勤だけは外してもらって・・・。》
水緒は、自然と口角が上がってしまう自分に気が付いていた。
最初のコメントを投稿しよう!