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ベルカ空軍第3航空師団…戦争中、ベルカ極右政党党首、ヴァルデマー・ラルドの影響を強く受け、部隊名称に「グラオ(灰色)がつく部隊を多く配置していたために、所謂「灰色の男達」とは第3航空師団ではないか…と噂される部隊…
ウスティオ空軍傭兵部隊との交戦で戦力のほとんどを喪失し、戦後程なく解散したはずだったのだが…
「馬鹿な!?…第3航空師団は解体された!!…所属隊員も戦犯で獄中にいるか退役したはずだ!!」
ハンスの叫びにカタヤマが頷きながら
「確かにベルカ空軍の組織図からは抹消されました…ですが、一部は我がオーシア、あるいはユークトバニア空軍にアグレッサーとして招聘され、また一部は今でもベルカ国内に武装集団として存在していることは確認されていますが…彼らがどこからどのように戦力を調達しているのか不明のままです…」
ここでミレットがハンスを見据えて言った…
「私は君が「彼ら」の戦力供給源ではないか…と考えていたのだが…」
ヴィクターが反論した
「冗談じゃない!!…ならなぜあの時、攻撃をしかけて来た?」
「そう、君たちが「彼ら」と交戦した現場で発見された地表に着弾したサイドワインダーは間違いなく実弾だった…つまりフォークナー少佐たちは少なくとも「クロ」ではない…
疑いが完全に晴れた訳ではないが、かつて「彼ら」の同僚であり、その存在を知る唯一の戦闘機部隊…
これ以上の適任は他にいない…
以上の理由であなたがたに協力を要請した…どうかな?」
ハンスは苦笑した
「つまりまだ疑われてる訳だ」
「当然だ、諜報の世界に100%の信用などない…、それを踏まえて…お願いしたい…!」とミレットは頭を下げた。
ハンスは堪えられなくなり大笑いした
「あんた、正直者すぎて大したスパイにはなれそうにないな…!」
ミレットが顔を上げるとハンスは真顔に戻ると言った。
「小型の単発機でいい、新しい戦闘機を四機用意してくれ…
それが条件だ」
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