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「え…とあ、私は大丈夫です。あの…貴方は誰です?」
彼女の質問に最初ん?っとした表情をするも自己紹介していなかった事に思い当たり、ああと頷いて自己紹介を始める。
「僕は図書委員長だよ。そこの馬鹿共は置いておいて皆はいいかな?自己紹介」
男子達を白い目で見ていた女子達は、自分達は自己紹介いりませ~んと言いながら頷き次を促そうとする。
「ふむ…全員の自己紹介は要らない、か。じゃあ次は図書委員の仕事の説明だね」
ほうけてる男子達を無視して話を進める図書委員長。簡単に委員の仕事の説明を済ますと、説明を聞いていた生徒を見回して一言。
「出来たら明日から委員の仕事に加わって欲しいんだけど、行ける人いるかな?」
明日からと聞いて少し怖じけづく女子達。その中で彼女だけが元気よく挙手した。
「はい!私やりたい!」
「他はいない…みたいだね。じゃあ君にお願いするよ」
「はい!喜んで頑張ります!」
図書委員長に任された彼女はパアッと顔を輝かせて頷いた。その周りには、彼女の笑顔にノックダウンされてく鼻血まみれの男子の屍が累々と。
「……こいつらウザいな」
その屍達を見てボソッと黒い独り言を言う図書委員長。周りを見ると女子達はそんな屍達を虫けらを見る様な眼差しで踏み付けている。
「ああそうだ。出来たら君一人だけで仕事して欲しい。男子は…使い物にならないからね」
「そうですか?親切な人達ですよ?」
彼女が図書委員長の言葉の意味が分からずキョトンとしてると、それを見た委員長はこっそり溜息ついてさらに言葉を付け加える。
「こんな風に鼻血まみれだと本が汚れるだろう?」
「…そういえば私の周りって鼻血出す人ばかりです?本Loveな私にとって本が汚れるのは許せないです!」
「そうそう。だからそこの屍は使っちゃ駄目だよ?」
「分かりましたです!」
本が汚れるという言葉でキリッとした顔つきになって頷く彼女。何処かズレた会話のやり取りに後ろで小さく拍手して委員長を称える女子達。
その足元では意味不明の恨み言を委員長に向ける鼻血まみれの屍がうぞうぞとゾンビのごとく、蠢いている。
これで図書委員初日は委員長の機転と鼻血まみれの屍ゾンビと共に終了する事となった。
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