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「う~、昼休みと放課後は図書室にいなきゃいけないのかぁ~」
次の日になり弁当片手に図書委員の仕事の割り当て表を眺めながら図書室に向かう彼女。
「弁当は図書室で食べてもいいんだぁ。うゅ?本読みながらの飲食は厳禁?」
図書室の規則をフムフムと頷きながら読んでいく。そうこうしてると目的地である図書室に到着してしまった。
「よ、よし!仕事頑張るぞ!」
弁当を持ったまま拳をぐっと握り気合いを入れて図書室のドアを開ける。図書室には顧問の教師がおり、忙しいから後は任せると言って彼女に任せて出ていってしまった。
「あっ!?ちょっ、ちょっと先生!?」
いきなり一人になってしまった…が、彼女はそれを全然気にせずカウンターで弁当を広げて食べ始めた。そして彼女がいるのを聞き付けた男子達が図書室にぞろぞろと押しかける昼休み。
「皆さん読書ですか?」
本好き仲間が増えたと思い喜んで話し掛ける彼女。が、彼らの目的は『図書委員さんを愛でる』事。その為彼女の質問に答えられず曖昧に返事し、本を読むフリして弁当食べながら彼女を愛でる。それはさながらサバトの集会のようである。
と、そこに彼女は彼らが図書室の規則を破っている事に気がついた。
「皆さん規則破ってるです!本が汚れたらどーするですか!?」
キリッと怒った顔(本人はそのつもり)で本片手に弁当食べてる集団を叱る。
「図書委員長さんに相談して罰決めて貰うです!」
怒った顔も可愛いなぁとウットリとしていた集団は罰と聞いて少し焦る。だが罰という言葉から連想される妄想に負けて一気に奴隷志願者に変身。今すぐにでもはいつくばりそうな勢いである。
と、そこに新たな人間が加わった。
「……やぁ、何だか変態集団がいるみたいだけど頑張ってるかい?」
「委員長さん!ちょうどいい所に来たです!あちらの皆さんに規則破った罰与えたいんだけど、何がいいです?」
委員長は面白そうに変態集団と彼女を見比べて少し考えると、ニヤッと笑いながら口を開いた。
「君、確か本作ってたよね?同人誌だっけ?その本を他の人が見れる様に持たせて校舎を練り歩かせたら?
宣伝広告は僕が考えるからさ」
「それ、ナイスアイデアです!」
委員長の提案に彼女は目を輝かせて喜んで、彼らに持たせる同人誌を元気にリストアップしていく。
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