図書委員さんの初仕事

3/4
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
 その後ろから委員長はリストアップされた同人誌の大まかな内容を聞き出して吟味し、男には精神崩壊確定の破壊力抜群な表紙カバーと内容を選んでいく。その中には彼女が友人から預かっていた同人誌も混ざっており、一緒に宣伝出来る事を純粋に喜んでいた。 「これくらいでいいだろう。後は宣伝広告を作るだけだね」  悪戯を企んでそうな悪人笑いで宣伝用の紙を取り出すと、スラスラと何かを書き出した。 「これでヨシッと!これをあの変態集団の背中に貼ってくれるかい? もちろん持たせる同人誌の担当別に」 「はい、分かりましたです!」  元気よく返事するとそれを委員長から受け取り、全ての男子それぞれに貼付けられていく委員長直筆の呪われた紙。そして貼付けた紙ごとに彼らの前にどんどん置かれてゆく精神破壊兵器。 「じゃあ君に声かけて貰うかな。それでこの変態共は現実に戻ってくるだろうから」 「は、はあ…分かったです」  委員長の言った言葉にいまいち飲み込めないまま、変態ワールドに飛び立っている集団に声をかけていく。 「皆さ~ん!目の前に置いてる本を周りに見える様に持って、校舎を練り歩いて下さいです」 「……本?」  現実に戻って来た男子全員が疑問符を浮かべながら首を傾げる。そして彼女が指差した本の形をした精神破壊兵器が目に入った瞬間…集団石化。 「ではお願いしますね?」  天使のスマイルで石化した男子の手に精神破壊兵器を渡して、委員長と協力して図書室から押し出していく彼女。もちろん、あの破壊力抜群のカバーが見える様に持たせて。  図書室のドアを閉めると精神破壊兵器をみて精神を破壊されていく男子の断末魔の連鎖が広がっていった。もちろん関係のない通りすがりの男子も目に入った途端、石化し精神を破壊された断末魔をあげていく。これぞ正しく阿鼻叫喚。 「委員長、凄い嬉しそうな笑顔です?何かラッキーがあったですか?」  ドアの外から聞こえて来る悲鳴に、企みが成功した悪魔のほくそ笑みなスマイルになっていた委員長に良い事があったんだと勘違いする彼女。 「とびっきりのエンターテイメントが成功したからだよ。これだから辞められない、病み付きになるね!」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!