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正直な所、A子は、かなり苛ついていた。
B子に、何度電話しても出ないからだ。
A子
(寝坊にしても、程が過ぎるわ!)
A子は苛々しながら、C子に電話した。
A子
「もしもし、どう?」
C子
「駄目、出ない…」
どうやら、C子からの電話にも、B子の反応は無い様子だ。
A子
「何やってるんだろう!」
電話口からも、A子の苛々が伝わって来た。
C子
「寝てる…にしても、寝坊し過ぎだよね」
A子
「本当に!」
C子
「部屋に、行ってみる?」
A子
「そうね!」
A子は、意気込んだ。
と、その時部屋の電話が鳴った。
A子
「あ、ちょっと待って」
C子
「どうしたの?」
A子
「部屋の電話が鳴ってる…一端切るから」
C子
「解った」
A子は、携帯を切ると部屋の電話に出た。
A子
「もしもし…」
B子
「あ、私」
A子
「B子!何やってるの?何でフロント?」
A子の勢いに、B子はビックリした。
B子
「携帯、部屋に置いて来ちゃったから、フロントの電話から…」
A子
「何で、フロント?」
B子
「お客さんが、来てて会って話してたの…」
A子
「お客?」
B子
「うん、連絡遅れてごめん」
A子
「お客って、誰?」
B子
「会えば解るよ」
A子
「…」
A子の勢いは、既に無くなっていた。
B子
「兎に角、お腹空いたし…外に行くから、2人共支度してロビーに来て」
A子
「え、ちょっと…」
B子
「あ、2人はもう朝食済ませた?」
A子
「未だだけど…」
B子
「良かった、じゃあ…為るべく早くね」
A子
「あ…」
A子が、何か言い掛けたが、B子は電話を切った。
響子
「大丈夫ですか?」
B子
「大丈夫、大丈夫。私も急いで支度して来ますね」
響子
「じゃあ、待ってます」
B子は、急いで部屋へと戻った。
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