ミラノ・Ⅳ

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A子 「何なのよ!一体!」 A子は、ブツブツ言いながら、C子に電話をしてB子の話をした。 C子 「え?何それ?」 A子 「私だって、解らないわよ!」 A子は、既に勢いを取り戻していた。 C子 (うわ…かなり、お冠だ…) 「取り敢えず、支度するわ」 A子 「そうね、じゃあ後で」 電話を切ると、A子は支度を始めたが、ふと気になった。 A子 (お客って?) A子の勢いは、減少し本来の冷静さが戻って来た。 A子 (会えば解るって…あのフライトで、一緒だった他の客室乗務員?) 客室乗務員は、3人だけでは無い。 他の人達は、別のホテルに泊まっている。 A子 (でも…それなら、そう言えばいいのに…) A子は、試行錯誤しながら支度を始めた。 響子 (10分とは言わないけど、せめて30分以内には来てよね) 響子は、3人を待っている間、時間が長く感じた。 このホテルは、近代的な造りで豪華だが、そんな事は響子にとってどうでも良かった。 以前、響子が『幽霊ホテル』と、云った様に霊魂が無数に漂っている。 本当なら、近付くのも嫌だが…仕方ない…。 響子 (でも、こんなに酷いとは…) 響子は、クロスを握り締めたが、居ても立っても要られない状態だった。 奴等は、そこかしこから響子を眺めている。 まるで、獲物を見定めている様に…。 響子 (最悪…早くして) 響子は、暖房の効いたロビーに居ながらも、寒くて震えていた。 吐く息も、微かに白かった。
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