ミラノ・Ⅳ

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初めに来たのは、B子だった。 B子 「お待たせしました」 響子 「早かったですね」 そう、B子にしては早い行動だった。 B子は、何故か響子の事が気に入り、早く話したかったのだ。 B子 「2人は、まだですか?」 響子 「ええ…」 B子 「2人共、何時もは私よりテキパキしているのに…」 響子 「突然だったので、仕方ないですよ」 B子 「そうですね…じゃあ、一緒に待ちましょう」 響子 「ええ」 響子は、B子が割と早く来た事に安堵した。 世の中には、霊感が強い人弱い人が居るが、細かく分けると色んな体質の人が居る。 B子は、霊感が弱いだけでは無く、霊魂を近付けない体質だった。 因って、B子と一緒だと響子は少し楽に成れた。 2人が来る迄、ソファーに座り、話をした。 B子 「でも、本当にビックリしました」 響子 「すみません」 B子 「いえ、いいんですよ。でも…」 響子 「でも?」 B子 「確か…ホテルの名前は教えましたが、私の名前は…」 響子 「ああ、航空機に乗った時に、ネームプレートで…」 B子 「成る程…納得しました」 響子 「もしかして、何か予定が有りました?」 B子 「何も無いので、気にしなくていいですよ」 響子 「良かった」 お互いに顔を見合わせると、少し笑った。 B子 「これから、ブランチに行こうと思っているんですが…」 響子 「え…」 『ブランチ』と聞いて、響子は一瞬戸惑った。 人前では、ゆっくり食べれない… かと云って、普通に食べてしまったら、間違いなく嘔吐する。 響子 「私は、来る前に朝食を済ませたので…」 嘘では無い。 B子 「そうですか…じゃあ、どうしよう…」 響子 「私は、ワインでも頂くので、気にしないで下さい」 B子 「解りました。あっ!」 響子 「え?」 B子 「来ましたよ」 響子が目線を変えると、2人がエレベーターから降りて来た。
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