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初めに来たのは、B子だった。
B子
「お待たせしました」
響子
「早かったですね」
そう、B子にしては早い行動だった。
B子は、何故か響子の事が気に入り、早く話したかったのだ。
B子
「2人は、まだですか?」
響子
「ええ…」
B子
「2人共、何時もは私よりテキパキしているのに…」
響子
「突然だったので、仕方ないですよ」
B子
「そうですね…じゃあ、一緒に待ちましょう」
響子
「ええ」
響子は、B子が割と早く来た事に安堵した。
世の中には、霊感が強い人弱い人が居るが、細かく分けると色んな体質の人が居る。
B子は、霊感が弱いだけでは無く、霊魂を近付けない体質だった。
因って、B子と一緒だと響子は少し楽に成れた。
2人が来る迄、ソファーに座り、話をした。
B子
「でも、本当にビックリしました」
響子
「すみません」
B子
「いえ、いいんですよ。でも…」
響子
「でも?」
B子
「確か…ホテルの名前は教えましたが、私の名前は…」
響子
「ああ、航空機に乗った時に、ネームプレートで…」
B子
「成る程…納得しました」
響子
「もしかして、何か予定が有りました?」
B子
「何も無いので、気にしなくていいですよ」
響子
「良かった」
お互いに顔を見合わせると、少し笑った。
B子
「これから、ブランチに行こうと思っているんですが…」
響子
「え…」
『ブランチ』と聞いて、響子は一瞬戸惑った。
人前では、ゆっくり食べれない…
かと云って、普通に食べてしまったら、間違いなく嘔吐する。
響子
「私は、来る前に朝食を済ませたので…」
嘘では無い。
B子
「そうですか…じゃあ、どうしよう…」
響子
「私は、ワインでも頂くので、気にしないで下さい」
B子
「解りました。あっ!」
響子
「え?」
B子
「来ましたよ」
響子が目線を変えると、2人がエレベーターから降りて来た。
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