ミラノ・Ⅳ

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A子 「あ~、ビックリした」 A子は、大きなため息を吐くと、ワインを喉に流し込んだ。 C子 「本当に…」 B子は、相変わらず、きょとんとしている。 B子 「2人共、どうしたの?」 A子 「貴女は、知らない方がいいわ」 C子 「そうそう」 B子 「え、何で?」 A子 「世の中には、知らない方がいい事も有るのよ」 B子 「ふぅん…」 B子は、1人仲間外れにされた気分だった。 A子 「でも、あの人…渋谷さんの事を聞く為に、会いに来たのかな?」 C子 「そんな感じするけど…」 A子 「何か、気味が悪いなぁ」 C子 「うん…」 A子 「何で、今更…」 C子 「やっぱり、親戚とか友人とか…なのかもね」 それっきり、会話は途絶えた。 A子とC子は、思考を巡らせている。 B子は、呑気にデザートを食べ始めていた。 その頃、響子は… 微かに残る気配や勘を頼りに、ミラノの街を歩いていた。 時折、古い店構えの店主に何か聞いたが、大した情報は無かった。 響子 (参ったなぁ…さっきの人達、何か知ってると思ったんだけど…) 散々歩き廻り、流石に疲れたので、カフェで休む事にした。 中世の建築様式が残っている、老舗の様なカフェだった。 マスターは年配で、ウェイトレスは、エプロンドレスを着ている。 響子は、カフェオレを頼むと、このカフェは何時からやっているのか?聞いてみた。 ウェイトレスの返事は、響子を満足させた。 どうやら、このカフェは老舗で、今のマスターが3代目。 3代目になってから、裕に30年は経っているらしい。 マスターに、少し聞きたい事が有る…と、ウェイトレスに伝えた。
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