手がかり

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響子がホテルに戻った時には、既に夕方でホテルも賑わっていた。 フロントで、キーを受け取ると部屋へ向かった。 少し、滞在が延びる事は、朝フロントに伝えて或る。 (また、渋谷さん居るかなぁ?) 響子は、考えながらエレベーターに乗ったが、智子は現れなかった。 響子 (どうしたんだろう?) 少し当てが外れた様子で、部屋に入った。 響子 (それにしても、疲れたなぁ…) 響子は、浴室へ行きバスタブにお湯を入れた。 今夜は、ゆっくりお湯に浸かりたい気分だったのだ。 お湯が溜まる迄の間、昼間の事を考えた。 客室乗務員は、外れ若しくは隠している… だが、カフェのマスターは、良く覚えていて詳しく話してくれた。 響子 (そう言えば…!) 響子は、ハッとなりショルダーバッグから、小さな箱を取出した。 中には、色々細かい物が入っているが、その中から薄い紙を手にした。 10枚以上有る。 それ等を手に、PCを開くと、バスタブの事を思い出し、急いで浴室へ行った。 案の定、バスタブはお湯が満ち溢れていた。 響子 (あちゃ~) お湯を止めると、部屋に戻り、PCを閉じた。 ゆったりお湯に浸かっていると、疲れが取れて眠くなってしまった。 響子 (駄目駄目!まだ、やる事が有るんだから…今夜は、少し食べようかなぁ) かなりのんびりと、お湯に浸かって満足しながら部屋へ戻ると、異変に気付いた。 PCの横に置いてあった紙が、無くなっている。 勿論、部屋の鍵は閉まっている。 響子 (やられた!) 響子は、愕然とした。
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