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A子とC子から、粗方話を聞くと、響子は部屋へ戻った。
2人は、タクシーで帰って行った。
暫く、響子は頭の中で情報を纏めていたが…
やはり、腑に落ちない点が在った。
それは…
『夜中に智子が1人で、出歩いた事』
だった。
響子
(何か用事でも有ったのか?それとも、約束?)
こればかりは、本人しか解らない。
先程、A子とC子は知り得る限りの事は、話した様に思えた。
響子
(あんまり、収穫は無かったなぁ…)
思考を研ぎ澄ませながら、さっきミラノ警察のデータベースから書き写したメモを、手に取った。
響子
(恐らく、犯人の目的は…強盗、そして…)
響子は、メモを見ながらため息を吐いた。
響子
(情報が少な過ぎる…やはり、本人に聞かないと…)
だが、智子が現れる気配は無かった。
響子
(仕方ない、やってみるか…)
時計を見ると、23時に近かった。
響子
(犯行時間に近い…)
響子は、思い立った様に立ち上がり、素早く着替えた。
その服装は、シンプルで真面目な感じ…
そう、先程A子やC子に聞いた、智子の服装を真似てみたのだった。
智子は黒髪なので、響子は明るい色の髪を束ね、帽子の中に隠した。
持ち物は、何時ものショルダーバッグでは無く、小さなハンドバッグ。
因みに、このハンドバッグはお土産様に買った物だが、この際致し方無かった。
響子
(こんな感じかなぁ…)
一通り、支度を済ませると部屋を出た…が…
部屋を出た瞬間、智子が立っていた。
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