帰還

2/9
前へ
/64ページ
次へ
ガシャーンッと、激しい音と共にバスタブが割れ、響子の意識が戻った。 だが、響子は疲労困憊で動けず、横たわったままだった。 智子 「橘さん…」 智子は、泣いていた。 響子が見て来たモノを、智子も感じたからだ。 響子 「ごめんなさい…」 響子は、その言葉を言う事が、精一杯だった。 智子 「いいえ、ありがとう…」 響子が気付くと、ホテルの従業員が部屋に来ていた。 無理も無い。 派手な音で、バスタブを壊したのだから…。 従業員は、横たわる響子が病気なのでは? と、思い医者を呼んだ。 響子は、ベッドに移され医師の診察を受けたが… 結果は『疲労』… 医師は、拍子抜けした様に帰って行き、ホテルの従業員もバスタブを片付けると、部屋から出て行った。 響子 (お腹空いた…) 響子は、そのまま泥の様に眠った。 翌日、目覚めると昼に近かった。 響子 (凄い寝ちゃったなぁ…) だが、響子の身体には、まだ疲れが残っていた。 シャワーを浴びようと思い、浴室へ行ったが… バスタブが無いのを見て、苦笑いした。 フロントに電話を入れ、昨夜の騒動を詫び、ルームサービスを頼んだ。 響子 (これからが、本番…体力付けておかないと…) ふと、思い立ってPCを手にしたが… 開かずに、閉まった。 響子 (報告しても、怒られるだけだろうなぁ…) 響子は、再びベッドに身を投げた。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加