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やがて、澄んだ女性の声が響子の耳に入った。
「○○時○○分発、○○航空ミラノ行きの便へご搭乗のお客様は…」
響子
「さてと…」
響子は、吸っていた煙草の火を消すと、搭乗口へと向かった。
ゲートを通り、機内へと向かう響子は胸騒ぎがしていた。
それは、先程の解放感に因る高鳴りでは無く、どす黒く重い胸騒ぎだった。
響子は、首から下げているクロスを強く握った。
響子は、霊感が強く心霊体験は日常茶飯事だ。
その為、いつも信頼している祈祷師に念を込めてもらった護符を、持ち歩いているが…
このクロスも、同じく念を込めて貰ったモノだった。
海外に行く時は、必ず身に付ける様にしていた。
通路を通り、機内へ入ると客室乗務員が並んで立っていた。
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