馬鹿と最強は紙一重

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私が<完璧女> と言われていたのは、 今は昔の話。 今は、見ての通り くしで溶かしていないいい匂いのするボサボサの黒髪、 メイクのしていない顔、 あ、肌の荒れはないっスよ。 今時の女子高生とは思えない ボロTに、スウェット。 まぁ、学校は通っていないけど。 「遅れやしたぁッッッ!」 五分くらい走って 着いた場所は、 建築途中の工事現場。 はい、そうです。 私は工事現場で、肉体労働をやっているんですよ。 つらい? つらくないよーん。 こういうのはね、慣れなんだよ。 わかる? もう、ここの工場長とは 長年のお付き合いなんだよねぇ。 あ、そういう付き合いじゃないからねっ それに私は‥ 工場長「おぉ、今日もだいぶ遅刻してきたのぉ。翼、おはよう。」 男1「はは、ようやく来たか」 男2「翼ちゃんがおらんと、なんか朝って感じがしないからなぁ」 私はここにいる工場長、工場にいるおじさん達が大好きなのだ。 気立てなく、優しく接してくれるみんなが、大好きなのだ。
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