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母親と共にリビングに向かうとソファーで横になっている千冬の姿があった。
夏紀「あらあらこんな所で寝ちゃって……」
母親はそのまま台所に荷物を置きに行ってしまった。
何?これは俺に起こせと言う意味か?
『おい千冬、起きろ』
千冬「……クゥ」
ふむ、起きない。呼ぶだけでは駄目か。ならば……。
『起きろ~』
ユサユサッ
千冬「う…ん……」
揺さぶりも効果が無いな。じゃあ次は……。
『…さっさと起きろクソアブゴッ!?』
耳元で悪口を囁いた途端、裏拳が飛んできた。なんて攻撃力、鼻血が出てきた。
しかしこれで起きたと思う……って起きてねぇよコイツ。さっきのは寝返りか?それにしちゃあ的確に鼻に当たったのは偶然か?
これだけやっても起きない……。仕方ないここは安らかに寝させてやるのが兄としての優しさだろう。
俺は近くにあったブランケットを千冬に掛けてやった。これでよし。
静かに寝てる分には可愛いいんだけどな……。
いつから俺に反抗的になったんだろう。兄としてはちょっと寂しいと思う。
軽く千冬の頭を撫でて俺は一人寂しく買い物に向かった。
ちなみに買い物から帰った俺を待っていたのは、ブォンと言う豪快な音を立ててバットを振る妹の姿だった。
その姿を見た俺は、無言で自宅から逃げ出し、近くに住む親戚の家の押し入れに引きこもったのは言うまでもない。
妹よ、野球部入れ。
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