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千冬「どうでもいいから早くして!!」
余程機嫌が悪いのか、俺を睨む眼が段々きつくなっている。
『千冬よ、何をそんなにカリカリしてんだ?……レッドディか?』
と言った瞬間、視界が真っ黒になると共に顔面に痛みが走った。
何かと思い顔に張り付いた物を手にした。
分厚い電話帳だった。凄く痛い。
再び妹を見ると早く行けと言わんばかりに無言の圧力を俺にかけてくる。
猛獣が威嚇するかのようだ。ぶっちゃけ怖いッス。
『オーケーオーケー落ち着けシスター。そんなに怒るな。軽いジョークじゃん』
やれやれ、我が妹にアメリカンジョークは通じないらしい。
悪化するのを恐れた俺は足早に自分の部屋へと向かった。
階段を上る途中、背後から舌打ちが聞こえたが気のせいだろう。
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