偽善

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散歩の途中でその不安と遭遇した。 今宵は満月で、足元はいつもより明るく、いつもより生き物の気配がする。 とはいえ夜中の山林。月明かりが木々の間からぽつり、ぽつりと差している。街頭は心細げに道を照らしている。 街頭が途切れ、月明かりも遮断されたところで何かが動く気配がしてとっさに目を凝らすがその正体はつかめない。 幾度となくそれは背後から忍び寄り、振り向いては姿をくらます それは私の不安を具現化したものなのだろう
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