第二章

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『しぃっ!!お弁当だよっ!!』 『…うん。』 私は昼食の時間が 一番憂鬱だ。 うちの会社は、 食堂がなく弁当を配達してくれるシステムになっている。 …だけど… 『あっ!!ごめんなさーいっ!!』 …やっぱりか。 『栞さんのお弁当、落としちゃって。』 私の弁当が 無事に届いたことはない。 先輩がわざと 落としているのだ。 『別にいいですよ…』 私の声は聴こえるはずもなく、 先輩はひろに弁当を渡す。 『はいっ!!』 『あー…僕いらないです』 『えっ?』 『しぃにあげてください。』 『でも…英雄くんはどうするの?』 『僕間違って、弁当作ってきちゃったんでそれを食べますから。』 先輩はしぶしぶ私の所へ 弁当を持ってくる。 『次はないと思いなさいっ』 そう言って、足を踏まれながら 弁当を渡された。 『これで一件落着だねっ★』 『ありがと…』 私はひろが譲ってくれた弁当を 抱えながら2人で 屋上へ向かった。
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