第4話

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井「なあ、この前 言うた結婚の話し なんやけどさ」 ──ずきん─── 藤(あれ?なんや なんでこんなに胸が 痛むんやろう、、、) 井「なあ?聞いとるん」 藤「え?あ、すまん すまん (笑)」 井「藤原は、 どうすんねん」 藤「何が??」 井「結婚や、けっこん」 ─ずきん、ずきん─ 藤(ああ、またや) 井「雑誌のインタビュー とかで聞かれる事 あるやんか」 藤「結婚なあー」 井「俺らも、もう ええ歳やろ、 せやからさ、、、」 何となくだが 藤原は井本の 言いたい事が 分かった。 藤「そうやな、、、 いずれは、俺も 貴ちゃんも結婚して 家庭作らなあかん そんな歳なんやな」 井「藤原、お前は 結婚してもこの仕事 続けてるんか?」 藤「俺は、どうやろ」 井「ふーん…… まあ、別にお前が 結婚して仕事を 続けようが俺には 関係ない事やけどな」 そういって、 井本が笑った。 そんな会話を していると いつの間にか 次の仕事の時間と なっていた。 井「お!、もう 行かなあかん 時間ちゃうんか?」 藤「おう、そやな」 先に井本が ドアを開けて 楽屋を出る。 その後に続いて 藤原も楽屋を出る。 バタンと閉まった 楽屋のドアを 背に、藤原は 次の仕事をする 場所に向かう廊下で 数歩前を歩いている 井本の背中を 見つめながら ついさっき 楽屋で話していた [結婚]、の事を ずっと考えていた。
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