上辺だけなら

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タバコの火を消した奴から香ってくる、男物の香水の香り。その中で、僅かに違う甘い香りがやけに鼻につく。 「晴紀には頑張ってもらわないとっ。今度は中華に連れて行ってね!」 暗くしてしまったから、わざと明るく笑う。それは、晴紀も気付いていると思う。 「おう。任せとけ」 「たっかいフカヒレスープ頼んでやろっと」 「…………」 ははは、と笑うけど。自分がどの位笑えているのかわからない。もしかしたら、全く笑えていないかもしれない。
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