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少年は夢を見ていた。
真っ暗な空間に、少年を含め10人ほどの男が立っている。
周りの男は皆同じ顔に見えた。
暗闇の向こうからもう一人、同じ顔の男が歩いてきた。
右手には血に濡れた刀を持っている。
少年は、突如得体の知れない恐怖に襲われた。
それと同時に、刀を持った男が右手を振った。
刀が届く範囲には何もなかったが、少年は咄嗟に身を屈めた。
頭上から、空気を切る音が聞こえた。
少年が顔を上げると、周りには胴体を真っ二つに切られた同じ顔の死体が転がっていた。
少年はすぐに逃げようとしたが、足がすくんで動けない。
そうこうしているうちに、刀を持った男が目の前に立っていた。
男は短く何かを言うと、少年に刀を振り下ろした。
少年が目を醒ました時には、この夢のことは忘れていた。
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