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ノナが発見されてから、一週間が経った。
あの後、イルトとユキは寮の管理人(イルトがノナを部屋に運んだときは、寝ていたらしい)にノナの事を伝えた。
管理人はすぐさま役所に連絡し、ノナは行方不明者リストと照らし合わされ、病院で検査を受けたが、記憶が戻ることはなかった。
その間、ノナは半ば軟禁状態にあったが、イルトとユキが毎日のように会いにきたので退屈することなく一週間を過ごした。
結局、身元も判明しなかったのでノナはイルトやユキと同じ寮へ移り住み、今日から学校へ行くことになったのである。
ノナは今、学校の廊下に立っていた。
教室からは、本日転入生が来るという旨を教師(マーシュという名のオジサンだ)が話す声が聞こえた。
「それじゃ入ってくれ」
マーシュの声に心臓が一層高鳴りながらも、ノナは教室へ、そして新しい生活への一歩を踏み出した。
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