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『えぇーー!!そんなぁ。今日一日、真由子の彼氏が、色っぽく飾った真由子を
見て、「綺麗だよ。俺以外に見せて欲しくない」とか言って、それを聞いた
真由子が「そんな事ないよ。あんまり見られると恥ずかしい」とか言って、
普段見せないような顔を見る為に今まで頑張ってきたのにー!!』
想像して楽しんでいた場面が見れない事に、がっかりした柚希はうっかり口を滑らせてしまい
口にはだす予定でなかった事まで喋ってしまう。
それを聞いた、真由子は、口元を引きつらせつつ、今までの、仕事頑張るぞ!的な雰囲気も
凍るような空気を出しながら、低い声で言う。
「ねぇ、今私幻聴が聞こえたわ。幻聴よね?だって、私さっきまで話してた月末にある花火大会に
彼を誘って行って、もし柚希が行けなかったら、可哀想な柚希にお土産でも買って来てあげよう
っていう優しい私に対して、まさか、おかしな妄想なんてしてないわよね?」
あまりの真由子の迫力に口がすべった事に気づいた柚希は、もちろん!!という
意味を込めて激しく首を上下に振る。
その柚希の様子に満足したのか、普段と変わりのない様子で真由子は
「そうよね。そんな事言うわけないわよね。あぁ幻聴で良かった」
と言い、自分の受け持つ仕事へと向かうべくテントからでようとした。
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