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柚希は、爽やかに微笑む彼氏を見つつ、隣に立つ不機嫌な真由子を見る。
『ところで、真由子さん?なぜにそんなに不機嫌そうなのかしら?』
「不機嫌ですって?これが不機嫌になられずにいられるわけないでしょ?!
仕事でこっちにいないから来れないって言ってたくせして、撤収作業してる時に気づくと、向かい側のベンチに座ってるのよ??
いつからいたのか聞いたら、30分も前から座ってたっていうのよ?
信じられない!来てたなら一声かけてくれたっていいのに!」
真由子はプリプリ怒りながら、彼氏の耳を引っ張る。
耳を引っ張られている当人は、なぜか痛くも嬉しくてたまらないといった感じで真由子の言葉に返事をする。
「だって、真由子が仕事してる姿なんて普段見られるもんじゃないし、子供達の相手をしてる真由子を
見るのに飽きなくて、声をかけるのを忘れてたんだ。」
照れる様子もなく、本当に普段の様子が見れて嬉しくて仕方のないといったふうを隠す事もなく嬉しそうに言う彼氏に
真由子は、嬉しくも恥ずかしいし、腹も立つといった様子で
「だからって、見すぎでしょ?!見られるこっちの身にもなんなさいよ!」
そう反論をするも、髪をアップにして、丸見えの耳が赤いのが薄暗くもよく見える。
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