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そんな照れる真由子を、かわいいなあと思いながらも柚希は二人の会話に割ってはいる。
『まあまあ、真由子落ち着いて。じゃあ真由子は、吉田さんと一緒に花火見るんだよね?』
「まさか。勝手にこの人が来たんだから、先約の柚と一緒に見るに決まってるじゃない」
『いやいや、私はいいよ。二人とも忙しくて会うの久しぶりでしょ?そんな中にお邪魔虫は入れないよ』
それを聞くやいなや真由子は慌てて
「何言ってるの!気にしなくていいよ!この人も柚と一緒に見るの知っててきてるんだから」
「そうだよ。俺も柚希さんと一緒って知ってて来てるんだし、気にしないでよ」
二人はそう言ってくれるが、カップル二人の間に入るなんて真似できませんて。
そう思った柚希は、咄嗟に口からでまかせを言う。
『あっ!私さっき部長に撤収作業の件で呼ばれてたんだった。本部に行かなきゃいけないから、私は遠慮するよ。
じゃ、私はこれで。』
そう言うと、柚希は何か言おうとする二人を置いて足早に去って行った。
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