桜咲く!? 入学準備!!

2/7
前へ
/170ページ
次へ
清々しい目覚め。 今日はなんだかいいことでもありそうな気分だ。 まだ三月の末日。 肌寒さに布団から出るのが億劫になる。 「あ~、もうすぐ学校が始まるのか~」 誰に言うでもない、独り言だ。 ただ口に出さなきゃ体の中に溜まる気がして零れてしまう。 厳しい受験戦争から解放され、あと二週間もすれば新しい学校が始まるといったところ。 といっても高校受験を制したくらいなのだが。 地元の高校に入学するには学力が足らず、三年になってから毎日死に物狂いで勉強した結果。 ボーダーぎりぎりで入学に至った。 「お~い、お兄ぃ。 夢が来てるぞ~」 階段を駆け上がる音と共に妹が部屋の扉を激しくノックする。 ちなみに夢ってのは俺の幼なじみ。 四月から同じ高校に通う事になっている。 そして妹は四月から中学三年、受験生だ。 「今起きた、ちょっと準備するからリビングで待っててもらって」 「は~い、……ったく、頭を下げる妹の身にもなってよね~」 そう悪態つきながらもノリノリで一階に降りていく妹、夢とは小さい頃から一緒だしな。 女の子同士仲良いのだろう。
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!

172人が本棚に入れています
本棚に追加