第一章

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* * * * * 数日後。 「まことちゃん」 庭を箒で掃いていると、門の方から沖田さんの声がした。 「庭の掃除?」 「はい。これが良くなるまでこんな事しかできないんですけど」 私は苦笑しながら、吊している左腕を少し揺らした。 「でも、片手じゃやりにくくない?」 「大丈夫ですよ」 そう言って私は、箒の先端を脇で挟み、下の方を握った。 そして少し掃いて目線を上げ、微笑んだ。
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