第二章

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「…あ、でも」 そこで助け舟が出た。 「まことちゃん、家ないんだよね?」 「…はい」 沖田さんの言葉に素直に頷く。 「そうなのか?」 近藤さんの言葉にもう一度頷いた。 今の時代に家が無いのは事実だし、私が住んでいたところは高台の上だから、今はただの山だと思う。 「火事で家を失って、家族も散り散りになっちゃったんだよね?」 …なんか、すごい設定。 「…できれば、このままここに置いて下さい」 私は正座のまま頭を下げた。 「頭上げろよ、別に出てけなんて言ってないし」 八番組の組長で、幹部の中では最年少の、藤堂平助が言う。 「ありがとうございます」 頭を上げて微笑んだ。
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