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「…あ、でも」
そこで助け舟が出た。
「まことちゃん、家ないんだよね?」
「…はい」
沖田さんの言葉に素直に頷く。
「そうなのか?」
近藤さんの言葉にもう一度頷いた。
今の時代に家が無いのは事実だし、私が住んでいたところは高台の上だから、今はただの山だと思う。
「火事で家を失って、家族も散り散りになっちゃったんだよね?」
…なんか、すごい設定。
「…できれば、このままここに置いて下さい」
私は正座のまま頭を下げた。
「頭上げろよ、別に出てけなんて言ってないし」
八番組の組長で、幹部の中では最年少の、藤堂平助が言う。
「ありがとうございます」
頭を上げて微笑んだ。
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