第二章

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「…すみません、子供みたいに泣きじゃくってしまって」 しばらくしてから沖田さんに言った。 「…そうだよね。君は、いきなり知ってる人が誰もいない世界に、来ちゃったんだもんね」 沖田さんは立ち上がった。 「泣き言の相手、僕がするよ。他の奴には言えないだろ?」 苦笑混じりに沖田さんは言った。 「でも、左之さんが言ってた【いつか会えるさ】ってやつ、それは本当だと思う」 私は、泣いて真っ赤になった目のまま沖田さんを見た。 「いつか、必ず、元の時代に戻れるよ」 沖田さんは微笑んだ。 そして、いつもの意地悪な笑みを浮かべて言った。 「いつまでも泣いてると、誰か来ちゃうよ?」 私は慌てて立ち上がり、涙を拭いた。
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