第二章

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「…そんなに珍しい?」 目を輝かせながら歩く私に沖田さんが言った。 「前から一度、京都には行ってみたかったんですよ」 「じゃあそれ、叶ったんだ」 「はい!」 私がそう言うと、沖田さんはクスクス笑った。 「あそこの甘味屋さんですか?」 私は、団子と書かれたのれんがかかっている建物を指した。 「うん」 そう言う沖田さんの目はキラキラしていて、本当に甘味が好きなんだろうなと思った。 「あっ、葛餅!!」 私は葛餅が置いてある棚の前に立った。 「葛餅好きなの?」 「はい!」 笑って答えると、沖田さんもニコッと笑った。
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