第二章

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「お茶と葛餅を、ご用意しました」 屯所へ戻った後、沖田さんが皆を大広間に集めてくれた。 「おぅ、葛餅を買ってきたのか」 土方さんが言う。 「はい。私、葛餅好きなんです」 そう言いながら、小皿に葛餅を分け、お茶と一緒に渡していく。 「僕のやつあげるよ」 沖田さんはそう言って、葛餅の入っている小皿を私の前に置いた。 「一つ食べたからもういいんだ。食べて?」 「え、でも…」 「いいから。お茶だけちょうだい?」 「はい」 沖田さんの湯飲みにお茶をついだ。
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