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境内に入ると、屋台がたくさんあった。
「何か買って来るから待ってて」
沖田さんはそう言って私に背中を向けた。
待って下さいと言う前に、沖田さんの姿は人混みに消えてしまった。
一人残された私は、少し離れたところにある縁台に座った。
少しすると、見知らぬ二人の若い男が私の方へ来た。
「お嬢ちゃん一人?」
「お兄さんと一緒にお祭り観ない?」
うわぁ……
どの時代にもいるんだな、こういう人。
まず頭に浮かんだのは、恐怖ではなく呆れ。
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