第二章

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「そこに居たのか」 声がして振り向くと、そこには隊服姿の土方さんがいた。 「なーんだ、土方さんも来てたんですか」 「なーんだじゃねぇ、見回りだ」 そう言いながら、土方さんの視線は花火に移る。 「綺麗なもんだな」 土方さんはしばらく花火を見た後、いつもの顔に戻り、沖田さんを見た。 「あんまり遅くなるなよ」 「はいはい」 沖田さんの生返事を受けとると、土方さんは他の隊士さんたちがいるところへ戻って行った。 花火が終わってから屯所へ戻り、私は沖田さんが買ってくれた手持ち花火を始めた。 「こっちも綺麗ですね」 縁側に座っている沖田さんや他の幹部の皆さんに言った。 「俺にもやらせて」 藤堂さんが私の方へ来た。 二人でやっていると、永倉さんが加わり、原田さんが加わり、沖田さんが加わり、斉藤さんが加わり… 縁側にいた全員が加わり、その日は遅くまで遊んでいた。
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