第二章

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* * * * * お祭りが終わると、あっという間に風は、秋の訪れを告げる。 「夏もそろそろ終わりだな……」 洗濯物を取り入れながら一人呟く。 記憶にまだ新しい、あの祭りの夜、皆でやった花火を思い出すと、無意識のうちに口元が緩んだ。 ……でも、 私がこの時代に来たのは初夏だった。 どうしたら元の時代に戻れるのか、よく分からないまま季節は過ぎてゆく。 でも、元の時代に戻ったら、もう皆に会えないんだよね…… そう考えると、戻りたくないと思う自分がいた。 彼らがどんなに怖い人達なのか、知っていたはずなのに。 そんなこと、すっかり忘れていた―― .
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