第五章

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「じゃあ、雑炊を温めてくるんで、大人しくしていて下さいね」 私は冷えた雑炊を持って御勝手へ向かった。 * * * * * 「総司は見つかったのか?」 御勝手で雑炊を炊き直していると、斎藤さんが開けっ放しの、庭と繋がる戸口にいた。 「あ、はい。壬生寺にいました」 「やはりそこか。あれだけ捜していなかったのだから、屯所の外なのだろうとは思ったが」 「今は部屋にいるはずです」 「また脱走していたら、どうする?」
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