序幕

8/11

3170人が本棚に入れています
本棚に追加
/450ページ
そういえば、なんでタイムスリップなんかしたんだろう? …確か、学校から帰る途中に、 物凄い音と衝撃を感じたような…… …って私、車に引かれたわけ!? 「おい、大丈夫か?」 障子の前の土方さんが言う。 「…あ、はい」 私が答えると、土方さんは視線を私から近藤さんへかえた。 そういえば、私の荷物どうなったんだろう? 今は、浴衣?着物? とりあえず和服を着せられているのだが、私の制服は? 「あの…、私の荷物は…?」 「君の荷物ならあそこに」 襖の前の沖田さんが部屋の隅を指す。 そちらを向くと、確かに学生鞄が置いてある。 「服も汚れてたから洗ったけど」 「あ、そうですか」 「…君、変わった身なりをしていたね。最初は異国の人かと思ったよ」 …そっか、この時代、制服と学生鞄は変なんだ。 でも彼は深く追求してこなかった。
/450ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3170人が本棚に入れています
本棚に追加