190人が本棚に入れています
本棚に追加
/346ページ
俺ら5人は、もとは同じ時を生きていた。
だけど、バラバラになってしまったんだ。
生きる時は違っても、思うことは皆同じなはず。
精一杯生きる、ということ。
そういえば1年前のあの時も、春は呟いていた。
― 生きなきゃ
生きていかなきゃ ―
生きるんだ。
遥か昔、武士の紅に消えていった皆が生きられなかった分。
俺は生きていかなければいけない。
宗盛さん…、
和義さん…、
俺、生きていきますから…。
精一杯生きていきます。
公園に着いて、足を進めると、懐かしい横顔が見えた。
久しぶり。
そう声をかけると、彼女は笑って
久しぶり。
って、返してくれた。
あの頃と変わらない。
今日は再び、5人が集まる。
¨遥か時¨を越えて。
- FIN -
最初のコメントを投稿しよう!