旅立ち

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  最近、夢を見る。 不思議な夢だ。 七人の人が何か言い合っている。 青い髪の男性は言う、 『直に我々の力は完全になる。その時我は最初に、あの名無しめを飲み込んでやる。その次は貴様らだ』 緑の髪の男性は言う、 『争いは辞めようと決めたではないか。儂はまた世界が滅びるのは見とうない』 茶色い髪の男性は言う、 『しかしあれは俺が創った大地だ。お前らが居座っているのはおかしい。さっさと出て行け』 黄緑色の髪の女性は言う、 『貴方が創ったというだけであって、別に貴方のものではないわ。そして、誰のものでもない。今はまだ…ね』 赤い髪の男性は言う、 『何でもいい!早く暴れてぇ』 白い髪の男性は言う、 『尊い命がまた、私達の身勝手な行いで失われるのは…とても悲しい…』 黒い髪の男性は言う、 『…生物などまた創ればいい。一度生み出せば、奴らは勝手に増える。世界が滅びなければの話だが』 七人は、それぞれに自分の主張を曲げる様子はなかった。 円になって立ち、互いを睨み合っている。 しかし、温厚そうな緑の髪の男性は目を逸らした。 『…問題はあの名無しをどうするかじゃ。なんせ、儂らが一斉にかかっても歯が立たなかったからのう』 『…しかし、奴は姿を消した』 黒い髪の男性は気怠そうに言い放つ。 『彼もまた、力を消耗し過ぎたのかもしれませんね』 白い髪の男性は悲しげに呟く。 『殺すなら、今だ』 青い髪の男性の言葉に、誰もが口を閉ざした。 肯定の、意。 『名無しが死んだ瞬間、また始まる…我等の戦争が。奴を殺すのは、早い者勝ちだ』 『無論、俺に決まっているがな』 『ほざけ、小僧が』 赤い髪の男性と茶色い髪の男性が睨み合う。 そして彼等は、姿を消した。 『必ず、世界を手に入れる』 .
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