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「あひぃ…」 昼下がりの太陽の下でスイカの形をしたアイスをくわえながら呻く。 Tシャツにハーフパンツにサンダルといった涼しい格好なのだが 夏の陽気の元では太刀打ち出来ないらしい。 汗をだらだらと垂らし、インスタントラーメンが入った袋をぶら下げながら 今来た道をトボトボと歩いて帰る。 「…ん?」 道の途中で見知った顔を見かける。 「あ!コータにーちゃん!いいところに!!」 「どしたのアキラ?」 イトコのアキラとその友達2人がコチラに助けを求める視線を向ける。 アキラに抱きついてる白い帽子の女の子が居る…がこちらにはまだ気づいてないようだ。 どういう状況かはわからないが…なんてうらやましい…。 「いや僕もよくか分からないんだけど…」 「しかしお前…小3だろ?ナンパなんて早すぎだろ…」 「違うよ!そんなつまんないボケはいいから助けてよ!にーちゃんの知り合いなんでしょ?」 「は?」 小学生につまらないと言われた事に若干凹みつつアキラの言葉を意味を考えるが―。 「ねーちゃん!コータにーちゃんはあっち!  さっきから何度も言ってるけど僕はアキラだよ!」 アキラが白い帽子の女の子に抱きつかれている両手を無理やり引きはがす。 「えー?キミ、コータじゃないの?」 「そう!コータにーちゃんはあっち!」 アキラに力強く指さされ、女の子の視線がコータを捉える。 最初はふてくされていた顔がみるみるうちに笑顔に変わる。 「コータぁ!!久しぶりー!」 次の瞬間白い帽子が中を舞う。というか女の子も宙を舞った。 「ちょ…!」 スゴイ勢いで女の子に抱きつかれた。 勢いあまって体勢を崩し、その場に座り込んでしまった。 「…んじゃにーちゃん!そういうことでっ!ヨっちゃん、ヒロ君行こう!」 「う…うん」 そう言うと3人は逃げるようにその場を走り去ってしまった。 残されたのはポカーンとした表情のコータと嬉しそうな女の子。
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